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【健康美容EXPO】赤の力 アスタキサンチン・自然界に発見された最強の抗酸化食品

生体への凶器に変化する酸素

生体のあらゆる所で、四六時中、活性化した過激な酸素が生まれています。酸化障害を与え続ける過激な酸素、体内で消去し切れない余剰の活性酸素は老化へ誘導する元凶です。

未熟児で生まれた赤子を高濃度の酸素テントで保育していた時代に、網膜に不可逆的な酸化損傷を与え失明に至った不幸な事件が多発した。酸素障害の典型例である。

アスタキサンチンは、自然界でとりわけて強い活性酸素消去能力を持った天然成分です。

2001年、TKKはバイオアスチン®としてアスタキサンチン製剤を始めて日本市場に上市したうちの1社(/2社)です。

この続きは【健康美容EXPO】にてご覧ください。

アスタキサンチンはミトコンドリアで働く

BioAstin®(アスタキサンチン製剤)について、約 6 年に渡る長崎大学海洋イノベーション機構との共同研究はミトコンドリアを中心に行われた。

2023 年 5 月に開催された第 77 回日本栄養・食糧学会では、マウスマクロファージ様細胞を用い、ミトコンドリアのエネルギー代謝と免疫応答に与えるアスタキサンチンの影響を検討し発表した。(詳細は marine drugs 20(2022)660 に掲載)

第 75 回(2021 年)、第 73 回(2019 年)では、骨格筋細胞内ミトコンドリアに発生する活性酸素種障害によって起こる筋繊維アポトーシスの抑制効果を発表した。(詳細は nutrients12(2020))

アスタキサンチンは、ミトコンドリアに比較的集積し易く、ミトコンドリアの呼吸能を向上する。
第 73 回 日本栄養・食糧学会(2019 年)

アスタキサンチンの筋萎縮にたいする効果とミトコンドリアでの作用機序

○平坂 勝也、 Luchuanyang Sun"、宮司 進之、 紀豊 足立 勝、 楊 敏 " 吉村 智大、
斎藤かなえ Yao Wang”、 谷山 茂人、
二川 健 橘 勝康”
1) 長崎大 海洋未来イノベ、 2) 長崎大院 水環食品栄養、
3) 東洋酵素化学、 4) 成海利 生物科技、
5) 徳島大院 医歯薬 生体栄養
【目的】 海洋性カロテノイドの一種であるアスタキサンチン (AX) は脂質二 重膜に取り込まれ、抗酸化力を有することが明らかにされている。 我々はこれまでに萎縮した骨格筋では、ミトコンドリア形態異常や過剰な酸化ストレスの産生が観察されることを報告している。 興味深いことに、 AXは構造を有しているミトコンドリアに比較的集積しやすいということが報告され た。従って、AXはミトコンドリアにおいても作用する可能性が考えられる。 そこで、本研究では,AXのミトコンドリアにおける抗酸化作用とミトコンドリア障害によって引き起こされる筋萎縮にする作用について検討した。 【方法】 C57BL/6J マウスに普通食もしくは重量比 0.2% (AX 量 0.02%) で配 合したAX 食を与え、 筋萎縮モデルとして尾部懸垂を2週間行った。その後解剖し、筋重量の測定、筋タイプごとの筋線維横断面積測定、筋特異的ユビ キチンリガーゼの発現の変動解析を行った。 また、遅筋優位 Sol8筋細胞と速 筋優位 C2C12 筋細胞を用いて、 AXのミトコンドリアにおける作用機序を検討した。
【結果考察】 普通食群では、尾部懸垂により、 筋重量の減少が認められた。 これに対して、 AX食群では、 筋萎縮モデルを施しても遅筋線維が大部分を占めるヒラメ筋では筋重量減少が認められなかった。 特に、AX 食群は、 部懸垂による運筋線維タイプI、 中間筋線維タイプ Ila線維の萎縮に対して 抵抗性を示すことがわかった。 さらに、AX食群では尾部懸垂によって引き 起こされる筋特異的ユビキチンリガーゼ (Atrogin-1. MuRF1) の発現上昇が 抑制されていた。筋細胞を用いた解析において、 AX は、速筋優位 C2C12筋細胞ではなく、ミトコンドリア含量が高い運筋優位 So18 筋細胞において、ミトコンドリア複合体III 由来活性酸素の産生を抑制した。 以上の結果より、AXはミトコンドリア由来の酸化ストレスを消去することにより筋萎縮予防効果を有することが示唆された。
第75回 日本栄養・食糧学会 (2021年)

骨格筋内ミトコンドリア機能と筋萎縮に対するアスタキサンチンの作用

Effect of Astaxanthin on mitochondrial function and muscle atrophy
平坂勝也 川田2、 宮司進之 敏2 内田貴之*
*
(長崎大海岸未来イノベ、長崎大院・水曜・食品栄養 東洋酵素化学、 *徳島大 院 医歯薬 生体栄養)
【目的】 カロテノイド類アスタキサンチン (AX) は脂質二重膜に貫通する状態で存在し、そこで抗酸化力を発揮することが明らかにされている。 興味深いことに、 AXは膜構造を有しているミトコンドリアに比較的集積しやすいということが報告されそこで本研究では、 骨格筋内ミトコンドリアにおけるAX の作用とミトコンドリア障害によって引き起こされる筋萎縮に対するAX の効果について検討した。 【方法】 C57BL/6J マウスに普通食もしくは重量比 0.2% (AX量 0.02%) で配合したAX食を4週間与え、筋萎縮モデルとして尾部懸垂を2週間行った。 試験期間終了後、筋重量や筋線維横断面積測定、骨格筋内ミトコンドリア生合成関連遺伝子の発現変動 とミトコンドリア呼吸鎖複合体タンパク質量の変化、ミトコンドリア由来活性酸素種の測定を行った。 加えて、 ヒラメ筋由来 Sol8 筋細胞を用いて、 AXのミトコンドリアにおける作用機序を検討した。
【結果考察】 普通食群では、尾部懸垂により、 筋重量の減少が認められた。 これに 対して、 AX食群では、 筋萎縮モデルを施しても遅筋線維タイプI、 中間筋線タイプ線維が大部分を占めるヒラメ筋では筋重量減少及び筋線維横断面積の減少が認められなかった。 さらに、 AX 食群では尾部懸垂によって誘導されたミトコンドリア由 来活性酸素種ROSの産生やミトコンドリア呼吸鎖複合体タンパク質量の減少を有意に阻害することがわかった。 加えて、 筋萎縮によって障害されたミトコンドリア生合 成遺伝子の発現レベルはAX摂取により改善された。 Sol8 筋管細胞を用いた解析に おいて、 AXは、 ミトコンドリア複合体III 由来活性酸素の産生を抑制し、ミトコンドリア呼吸鎖複合体障害によっておこる膜電位の減少を改善することがわかった。 以上 の結果より、AXはミトコンドリア由来の酸化ストレスを軽減することにより、 ミトコンドリア機能を保持することで筋萎縮予防に効果的である示唆された。
第77回日本栄養・食糧学会 ( 2023年)

細胞内ミトコンドリアエネルギー代謝に対するアスタキサンチンの作用

Astaxanthin Exerts Immunomodulatory Effect by Regulating SDH-HIF-1a Axis and Reprogramming Mitochondrial Metabolism in LPS-Stimulated RAW264.7 Cells.
Sun Luchanyang' Kim Sangeum2 森亮-2、宮司進之、二川健、〇平坂勝也 1-3 (長崎大院・水産・食品栄養、 長崎大医 病理、 東洋酵素化学、 徳島大院・医 歯薬 生体栄養 長崎大海洋未来ノベ)
【目的】 海洋性カロテノイド類アスタキサンチン (AX) は様々な細胞で抗炎症効果を有することが報告されているが、そのメカニズムは多岐にわたっている。 我々は AX を細胞に処理するとミトコンドリア画分にも検出でき、 ミトコンドリア内で機能していることを報告している。本研究では、これまでに報告されていないマクロファ ジミトコンドリア代謝に対する AX の効果にについて検討した。
【方法】 細胞はマウスマクロファージ様細胞株 RAW264.7 細胞を用いた。 RAW264.7 細胞にAXを処理後、リポ多糖 (LPS) にて刺激し、炎症性サイトカイン、ミトコンドリア由来活性酸素種、呼吸鎖複合体タンパク質量の変化を解析した。 加えて、細胞のエネルギー代謝は細胞外フラックスアナライザーを用いて測定した。
【結果考察】 LPS 刺激により炎症性サイトカイン IL-1βの発現と分泌およびミトコ ンドリア由来O2 生が有意に上昇した。 これに対して、 AX を処理した細胞では LPS刺激によって増加した IL-18およびミトコンドリア由来 O2 帝生が有意に抑制された。さらに、AX は、 LPS刺激によって引き起こされるミトコンドリア呼吸鎖複合体I、II、およびタンパク質量の減少を抑制した。 特に、AXはLPS 刺激によるミトコンド リアのコハク酸ヒドロゲナーゼ (SDHミトコンドリア呼吸鎖複合体II) 活性低下 や SDH複合体サブユニットBの発現量減少を有意に抑制した。 SDHの阻害剤である Atpenin A5を用いた解析により、 AXは SDH-HIF-1 シグナル伝達経路の上にあるミトコンドリアに直接作用し、 IL-1β発現を阻害することがわかった。 次に、 AX がミトコンドリア機能に関与することから細胞内エネルギー代謝を測定した。 LPS 刺激により細胞は解糖系に依存したエネルギー代謝を示すが、 AX を処理した細胞は、酸化的リン酸化に依存したエネルギー代謝を示すことがわかった。 これらの結果は、 AX が免疫細胞のミトコンドリアのエネルギー代謝に作用し、免疫応答を調節することが 示唆された。

スピルリナの機能の原点を解く

東洋酵素化学 株式会社
学術調査 室
女子栄養大学名誉教授
薬学博士 医学博 士
林 修
スピルリナは、こんにちまで実に多くの研究論文が発表されてきた。すなわち、多くの研究者たちがスピルリナに関わってきたのである。
研究者たちは自然界の特異な生物におのずと興味を抱いたからにほかならない。

スピルリナは、およそ 35 億年前に地球上に最初に発生した生命細胞・藍藻類の仲間である。分類学上、シアノバクテリア藍色細菌とされている。
生物形態は個々の単細胞が規則性をもってラセン状に整列した群生体を造って生命を営んでいる。
ラセンは、DNA や宇宙の銀河系もそうであるように自然界に広く見受けられる。スピルリナも生誕時に宇宙の摂理に従って生命の営みを始めたのであろう。
細胞集合体は
①完全食とも言えるブロードな栄養スペクトラムを持つこと(残念ながらビタミン C を自己合成しない。生命初期にはビタミン C は生活細胞に必須でなかったのであろう)
②フィコシアニンと呼ばれる独特の機能性青色成分(光合成青色色素)を含むこと
③デトックス効果が多編報告されていること
(有用成分の取り込みと有害成分の排出が同時に進行するわけである)
など、唯一無二の天然食材は、メジャーな一般紙(朝日新聞 2015.11.7、毎日新聞 2015.12.13)でも“スーパーフードの代表格”と紹介されている。その所以はこの特異性にある。
スピルリナの健康に関与する機能研究は多岐にわたり発表されているが、スピルリナを理解するとき、確認された多くの報告の中から特定の機能を取り上げるべきでなく、見方を変えた方がスピルリナの本質が浮き出てくる。
生体は本来、恒常性(今日も明日も健康な範囲で同じ状態を保とうとするはたらき)を維持する仕組みをそなえている。しかし、時として外敵(病原性細菌、ウィルス、化学物質など)にさらされる場合があり、また、体内では何かの原因で炎症が発生する。しかし、生体はまた自ら元に戻ろうとする修復機能も備えている。それにより、健康が継続する。論文発表されたスピルリナの身体に与える多岐の生理機能、それに加えブロードな栄養スペクトラムは、真に“本来の恒常性”の増進によい影響を与え、「全体の組織バランスが保たれた身体(からだ)の基礎作り」に優位に働くであろう。スピルリナの健康機能はその一点を捉えるべきである。
言い換えれば、スピルリナは健康を維持改善する恒常性又は修復作用のサポート、さらには、作用発現のプロモーターとなり、本来の健康力の底上げに働くであろう。
多岐にわたる研究報告はその裏付けとなる資料と解くことができる。
(完)

CBD――それはストレス社会が求めるもの

ストレス社会が求めるもの

中央アジアが原産とされる大麻は、日本においては古くから衣・食・住、さらには伝統行事にも利用され、人々の生活に密接に関わってきた。
しかし、大麻の中には向精神作用を持つ種もあり、1948 年の大麻取締法制定以後、こん日まで違法な薬草としての強い認識が定着してきた。
大麻の生理活性成分は、炭素数 21 で構成される一連の近似した化学構造を持つ 100 種以上のカンナビノイドと総称される。
その中の一つ、THC(Tetrahydrocannabinol)は鎮痛、鎮静、抗炎症作用の他、幻覚、陶酔作用を持ち、多幸感を発現するため依存性が生まれる。
この様な著しい作用を持つため、THC を含んでいる物に対しては「麻薬及び向精神薬取締法」によって厳しい取締りの対象となる。
THC 以外のカンビナイドも鎮痛作用や睡眠誘導、不安に対し精神的な安定をもたらす作用がある一方、習慣性を伴わない。そのため、ストレスの多い社会において、精神的な健康を求めて、その用途が広まっている。
カンナビノイドの中で多くを占めるのは CBD(Cannabidiol)である。
CBD のみを抽出し 100%近くなるまで純度を高めた精製品が CBD アイソレートとして市販され、多くの最終商品はアイソレート品を主流原料としているが、今後は THC を除く数種のカンナビノイドが配置されたブロードスペクトラムタイプが主流となってくるであろう。
CBD 単体と比べ複合的な生理活性が期待できることは非常に興味深い。
以下に弊社の開発した製剤について紹介する。
CBD アイソレートは、ロウ状のしっとりした感じの白い粉末である。一方、ブロードスペクトラムタイプは、流動性の全くない半透明なハードワックスである。いずれも水不溶性で特に後者は使い勝手の悪い剤型である。
そのまま摂取しても吸収しにくく、多くは中鎖脂肪酸などの食用油脂に混和溶解して摂取するが、舌下に含み、粘膜からの吸収をはかる方法が良くとられている。しかし、使用するにはより簡便に、吸収も優位な製品が好まれるのは言うまでもない。
弊社はこれらカンナビノイド類を様々な食品形態に適応でき、また、血中移行も容易となる nano サイズ粒子とした粉末タイプ及び液体タイプの加工製剤を開発(特願 2023-40400 号)し、一部へのサンプル出荷も始めた。
粉末タイプは、カンナビノイドを 10%含有し、水に容易に均一分散し、熱、pH に安定、変色も起こりにくい。液状タイプはより透明感の高い安定な水溶液が得られる。
従って様々な形態の商品に利用されうる。
nano 粒子は、一般的には化学的な反応、又生体への反応(生理反応)も向上するため多くのメリットを生むが、反面 CBD 特有の苦味はそのまま出てしまう。
商品の形態によって、例えばゼリー、グミや通常食品への添加等、苦味の少ない製剤が求められるであろう。そのための水溶性粉末、液体タイプの製剤も用意されている。
カンナビノイドは高価な素材のため製品コストをより縮小できるのであるなら一層好ましいことである。摂取後の血中移行効率の向上によって、摂取量又は配合量の調節が可能となれば、ユーザーにおいてもコストと共に健康メリットも享受できる。
弊社は、今後の検討として、摂取後の成分動態の観察を含め、さらなる製剤研究を計画している。

オートファジー機構に関与するアスタキサンチンとフィコシアニン

オートファジー機構に関与するアスタキサンチンとフィコシアニン

近年、アンチエイジングに深く関与する体内の機構に、オートファジーの仕組みが注目されている。
アンチエイジングに貢献する健康機能素材として広くしられているアスタキサンチンはアンチエイジングに深くかかわるオートファジー(細胞の自食)機構に好影響を与える可能性が指摘されており、注目度が高まっている。
アスタキサンチンについては、ミトコンドリアの呼吸(エネルギー産生)を向上させる働きが確認されており、この働きが、オートファジー機構への効果につながっている可能性もある。
体内で起こるオートファジーの仕組みが注目
オートファジーは、細胞内にたまった不要なタンパク質などを、リサイクルし、体内で再活用するための仕組み。こうした働きがあるため、細胞は恒常性を保つことができ、老化抑制につながるという。この仕組みを発見した大隈良典氏はノーベル賞を受賞したことで脚光を浴びることとなった。
オートファジーが何らかの理由で機能不全になると、疾病や体調不良、肌の老化などにつながる可能性があると言われている。
オートファジーを活性化する食材は
アスタキサンチンは、このオートファジーを活性化する働きを持つことが示唆されており、注目が高まっている。’22年7月8日に放映されたテレビの情報番組に、大阪大学大学院教授で、大隈氏と共にオートファジーの研究で著名な吉森保氏は番組中のトークに、オートファジーを活性化する成分の一つとしてアスタキサンチンが(その他ケルセチン、レスベラトロール等と共に)紹介され話題となった。
また、番組とは別に、フィコシアニン(スピルリナに特異的に含まれるブルー色素成分)のオートファジー活性についても Liao G et al.:Sci Rep 6,34564(2016)に報告されている。
ミトコンドリアの酸化ストレス抑制を確認
弊社は、長崎大学との共同研究で、ミトコンドリア由来酸化ストレスに誘因される筋繊維細胞死が、アスタキサンチンを摂取することにより防止できることが確認された。
アスタキサンチンはミトコンドリア内膜に入りやすく、同研究によってアスタキサンチンの摂取が呼吸鎖タンパク質から生産される活性酸素種を消去し、ミトコンドリア障害によって引き起こされるアポトーシスの誘導を抑制することが明らかにされている。
細胞膜機能を保全
さらに弊社は山口大学においても筋線維細胞萎縮モデルマウスによる研究を行なっている。
この研究では、細胞膜構造における脂質成分の過酸化変性が膜機能に異常な影響を与え、細胞のアポトーシスを引き起こすことが着目された。
これらの結果から、アスタキサンチンの、ミトコンドリアや細胞膜に与える影響がオートファジー機構への効果にもつながっているのではないかと推測される。
アスタキサンチンとフィコシアニンがオートファジーの活性に与える影響についての研究は、海外の研究機関において実施されているので以下に紹介する。
<用語の説明>
AX:Astaxanthin
Phyc:Phycocyanin
AMP-activated protein kinase (AMPK)
細胞内のエネルギー状態を監視し、糖・脂質代謝などを調節する酵素。
老化の重要な調節因子として機能することが示唆されている。

Phosphoinositide 3-kinase(PI3K)-Akt 経路
細胞の生存及び死の周期を制御するシグナル伝達経路。

mTORC1(mammalian target of rapamycin complex 1)
栄養素・エネルギー状態のセンサーとして機能し、細胞内の物質代謝やエネルギー産生を調
節するタンパク質複合体。mTORC1 の活性阻害は、癌細胞の増殖や血管新生を抑制する。

ナノ、リポソーム加工を始める

ナノ、リポソーム加工を始める

2019 年からビーズミルによるナノ加工の開発に取り組み、2020 年より視覚機能に関与する 3 種のカロテノイド色素(ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン)をナノ化(平均 100 ナノメートル)したアイケア製品を開発。
ナノ(nano)とは、百万分の 1 ミリメートルの長さを表す単位です。nano 粒子は細胞に浸透し易く成分の吸収が向上する利点があります。
眼は光線が直接生体内に侵入する唯一の器官で、光により発生する活性酸素の障害を受け易い組織です。
アスタキサンチンはとりわけ強い活性酸素消去能力を持つ自然界 No.1 の天然食品成分です。
ルテイン、ゼアキサンチンは網膜に存在する組織成分で、視覚機能の維持に重要な役割を持っています。
3 成分の複合は眼の健康維持に対する強力な相互効果が期待されます。また、2022 年 1 月、NMN のリポソーム加工製品の供給を始めました。
貴重な微量成分を擬似細胞膜で包み込みます。
弊社では同時に成分分析も行い製品管理にも努めています。

夢のアンチエイジングについて語るNMN の老化抑制、活動力の回復とアスタキサンチンの役割について

夢のアンチエイジングについて語る
NMN の老化抑制、活動力の回復とアスタキサンチンの役割について

近年、老化制御に関与する生体成分としてNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)が注目されています。NMN はミトコンドリアを活性化させるとともに、普段は働いていない長寿遺伝子サーチュインが活動するためのスイッチの役をも持っていると言われています。
ミトコンドリアは、生命活動に必要なエネルギーを産生する細胞内小器官です。エネルギー産生にはミトコンドリアに存在する NAD と呼ぶ補酵素が必要で、NAD は体内で NMN から変換されてできる物質です。加齢・老化は NMNそのものの存在量が低下している状態なのですが、外から摂取することにより、NAD 量も増加することが明らかになっています。
細胞にエネルギーが生み出されると同時に生体は宿命的に活性酸素の発生を伴います。これは生物の必然性で避けることができません。そのために、生体には活性酸素消去機能が備わっていますが、加齢・老化に伴い SOD(活性酸素の一種スーパーオキサイドを消去する酵素)の存在も減少しています。人は 40 歳を過ぎる頃から急激に SODの体内生産量が減少します。そのため消去しきれない活性酸素も存在し、それは生体に対し毒性に働きます。感染細菌の消滅に働く有益性も持ちますが、活性酸素は生体のあらゆる場所で四六時中発生し、細胞・組織に障害を与え続けています。
かつて未熟児を酸素過多のテント内で保育したために網膜に障害をきたし、多くの未熟児網膜症を発症した典型的な酸素障害事故がありました。
エネルギー産生の多い動物は逆に短命です。動きの多い動物はその分エネルギーを産生しているわけですから、同時に酸素消費も増えます。動物種による寿命の系統を観ると、体重に比し体表面積当たりのエネルギー発散量、単位体重当たりの酸素消費の多い種は短命です。最も進化したヒトは、この相関にはあてはまりません。生物の種の保存や進化の過程は、酸素毒性から身を守る機能を獲得することでもあったわけです。
ミトコンドリアが活力を取り戻し、エネルギー産生を回復するとなれば、加齢とともに衰えている活性酸素の消去能も同時にケアしておかなければ矛盾が生じます。活性酸素消去能に関しては、自然界の食品成分の中でアスタキサンチンは最も強い能力をもちます。弊社はアスタキサンチンの生体活性に関する研究実績を多数持ちますが、2021年にはアスタキサンチンと筋力低下抑制に関する共同研究論文を、学術誌「nutrients」2021,13(2),379に発表しました。ここではアスタキサンチンが細胞内ミトコンドリアで発生する活性酸素種(ROS)に誘引される筋線維細胞死を抑制することを明らかにしています。
アスタキサンチンはミトコンドリアに比較的集積しやすく、そこに発生する活性酸素の消去に働くことから、弊社は NMN の機能をより効果的にするために、アスタキサンチンとの相互作用が生理的に非常に重要な関係にあることに注目しています。
NMN の主な作用に細胞エネルギーの産生促進のほか、筋力回復、活動量増加、認知機能改善、糖代謝の促進、骨密度上昇などがあります。
また、アスタキサンチンはオートファジーと言う、生体が備えている「細胞がリサイクルされ常に同じ状態を保つ、いわゆる恒常性を維持する機構」を活性する成分の一つに指示されています。
アスタキサンチン・NMN の摂取は身心の活力を生み、生活の質の改善に役立ちます。そのため、中・高齢者の快適な生活の持続に活かせると期待できます。